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#82:病院施設のリノベーション

この文章は2024年1月に発行された病院広報誌72号に書いた文章です。

病院施設のリノベーション

院長 加藤 奨一

関戸から東牛谷に移転し2006年2月に開院した新病院も、もうすぐ18年になり、さまざまなリノベーションが必要になってきました。

20年前はまだ入院患者さんの個室希望は少なかったので、5~8階の一般病棟の個室は10床/57床で造りましたが、最近では個室希望患者が増え、なかなか希望に添えなくなってきました。また、新型コロナ患者さんの入院対応に当たり、病棟の構造上、感染症病床確保のためのエリア分離がうまくできず、結局6階1病棟をコロナ専用病棟にせざるを得ませんでした。そこで、5~8階の4つの病棟で4床室3室を個室6室へ改築工事を行い、昨年3月に完成しました。5~8階の4つの病棟の個室は16床/51床になり、病院全体で個室が24室増えました。また、感染症対応のため、2つの病棟では病棟内を2つのゾーンに分離できるような開閉可能な仮説扉を造り、感染症エリアの個室の陰圧化も図りました。

電子カルテとなった現在、医師の指示と薬局での注射薬出しをITでシームレスに繋げるために「アンブルピッカー」というかなり大がかりな機器が必要となっています。20年前の設計では薬局にそうしたスペースは確保していなかったため、薬局に隣接する診療録管理室と図書室を別の場所に移し、部屋の間の壁を取り払い、薬局の面積を拡げるという改築工事を昨年10~11月に行いました。

健診センターが面積の問題で健診者増加に対応できない、外来化学療法室のベッドが足りない、会議室数が足りない、等々、まだ解決しなければならない施設的な問題が山積しています。病院を増築したいところですが、現在病院建築はそう簡単にできません。20年前と比べ、今の建築費は3倍以上になっています。この病院と全く同じ仕様の病院を今建てると3倍以上の総工費になるということです。民間病院では借入金返済計画が成り立たず、病院を増築したり、建て替えたりすることが困難な時代になってしまいました。うちの新病院の設計・管理をした日揮株式会社の担当者の話だと、全国の病院建て替え計画はことごとく中止になっているそうです。老朽化して耐震性などに問題がある病院は閉院を考えざるを得ないそうです。

築18年になりますが、新病院は建物的にまだまだ使えるということを幸運なことと捉え、この建物を大切にして、必要に応じて知恵を絞って、既存の建物の中でリノベーションを繰り返していこうと思っています。

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