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#71:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

この文章は2020年4月に発行された病院広報誌61号に書いた文章です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

院長 加藤 奨一

新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。テレビなどでは毎日このニュースで持ちきりです。どこの都道府県で何人の感染者が新たに判明した、と毎日報道されています。
この原稿を書いているのは2月29日(今年は4年に1度の閏年)です。You&Iのこの号が出る4月1日に日本はどういう状況になっているのでしょうか。

さて、新型コロナウイルスについて現時点で分かっている ことを少し挙げてみますので参考にしてください。

  • コロナウイルスは、直径約100nmの球形、表面に突起が見られ、電子顕微鏡像が太陽のコロナに似ているので「コロナウイルス」と命名された
  • 人に感染する「ヒトコロナウイルス」は、風邪のウイルス4種類と、動物から感染し重症肺炎を起こすウイルス2種(SARS重症急性呼吸器症候群とMERS中東呼吸器症候群の原因ウイルス)、合わせて6種類が知られていたが、今回の新型コロナウイルスが追加されて、ヒトコロナウイルスは7種類になった。WHOは今回の新型コロナウイルス感染症の名称をCOVID-19(CORONA VIRUS DISEASE 2019)と決めた
  • 症状は、発熱・咳・息苦しさ・呼吸困難・長く続く強い倦怠感・下痢・吐き気・頭痛など
  • 感染者の5-6%が重症化するが、その他は比較的軽症。致死率は2-3%。一部の患者では、ほぼ平熱など、症状があまりない
  • 年齢が高くなるほど、また、持病持ちの人ほど重症化率が高い。子供の重症化はまれ
  • 潜伏期間は、1~12.5日。最長24日という報告もある
  • 潜伏期間でも、感染力がある
  • 感染経路は、接触感染と飛沫感染で、空気感染はほとんどない
  • 現在治療薬はなく、治療は対症療法のみ。他の抗ウイルス薬が有効である可能性もあるが、まだ検討段階
  • 感染予防策としては、手洗い(石鹸と水で20秒以上)、手指の消毒(70%消毒用アルコール)、うがい(イソジンなどのポビドンヨード)、マスクの着用、物の除菌(0.1%次亜塩素酸ナトリウム)、良質な睡眠や休養、が有効とされている

以上ですが、最も大切なことは、自分が感染したら、他人にうつさないことだと思います。
現在イベントや集会は軒並み中止・延期となり、小・中学校・高校の休校も週明けから始まります。
感染拡大防止に最も有効な方策は、全ての社会活動の停止だと思います。
個人としての「ひきこもり」や国としての「鎖国」策も有効かもしれません。

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