#28:非医療者に知ってもらいたい医療10カ条
この文章は平成21年4月に発行された病院広報誌18号に書いた文章です。
非医療者に知ってもらいたい医療10カ条
院長 加藤奨一
先日ある方におもしろいインターネット・サイトを教えてもらいました。「医療崩壊を少しでも食い止めたい一般患者の会」というサイトです。その中に「非医療者に知ってもらいたい医療10カ条」というのが載っています。以下です。
1) | 医療は不確実です。医療には限界があります。医師がどんなに手を尽くしても亡くなることはあります。 |
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2) | 医師はエスパーではありません。症状をきちんと伝える為に「いつから、どこがどう痛いのか」等を予めメモにまとめておきましょう。 |
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3) | 医師は敵ではありません。敵なのは病気であり、医師は共に戦う仲間です。 |
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4) | 医師は病気を治すのではありません。医師は病気を治す手伝いをするのです。 |
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5) | 新聞やニュースの医療記事を鵜呑みにしないようにしましょう。偏向報道の場合があるので出来たらネット等で調べ、多角的に考えましょう。 |
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6) | 「たらい回し」「受け入れ拒否」という言葉は使わないようにしましょう。これらは人手・設備不足等で受け入れ能力がないために起こります。つまり「受け入れ不能」「受け入れ困難」の方が適切です。 |
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7) | “ベッドが満床”のベッドは物理的なベッド以外に、酸素マスクや看護する人員等含んだ設備と言う意味があります。つまり「ベッドが満床」=「(物理的な)ベッド・設備・人員すべて受け入れる余力が無い」んです。それから“ベッドが無ければソファに寝かせて治療”は重症患者ではとてもできません。 |
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8) | 「一般人だからわからない」と言わずに調べるくせをつけましょう。自分の病気についても人任せにしないで正しい知識をつけましょう。 |
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9) | 時間外の救急外来に平日昼間のような設備や人員は望めません。コンビニ受診は控えましょう。 |
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10) | 医療崩壊について調べてみましょう。医療崩壊、医師不足や受け入れ不能事件の一因は我々国民にもあることを自覚し、何をしたらいいのか建設的に考えていきましょう。我々非医療者、医療者が協力し合わなければ医療崩壊はくい止められません。 |
以上です。